| 1. 熱平衡キャリヤーを利用した分解システムの原理 |
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本分解システムは半導体のキャリヤーを有機物の分解に利用すると言う点では、光触媒と酷似している。われわれのシステムは光励起により電子・正孔対を形成するのではなく、高温状態(例えば350℃)で多量に発生する熱平衡キャリヤーを分解に利用することに大きな特徴がある。高温状態では被分解物(例えばプラスティック)も溶融状態におかれるので、酸化チタン等の半導体表面での分解過程も効率よく進行する(図1)。
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 図1 酸化チタンのエネルギーダイアグラム |
2. ポリマーの分解メカニズム
ここではポリカーボネート(PC)の分解過程を例にとってみる。市販のCD等の光ディスク基板に使用されているのがPCであり、その分子量は2万程度である。約220℃でPCは融解するので半導体(酸化チタン)とPCは固体/液体界面を形成し、理想的な接触状態と言える。約350℃の温度で正孔が多量に生成していることを念頭におき、分解反応を考えてみる。分解反応は2段階で進行する。350℃の温度では溶融状態にあるPCが酸化チタン表面に吸着すると、PCは正孔により直ちに酸化分解され、分子量が数1000程度のフラグメントとなる。第2段階では、これらのフラグメントが空気中の酸素と反応して完全に炭酸ガスと水に分解する。ガス分析の結果を図2に示す。しかし、この反応を真空中で行うと多くのフラグメントが観測され、PCの完全燃焼は起こらないことが分かっている。
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3. 分解可能なポリマー
上記の例ではポリカーボネート完全分解を紹介したが、これ以外にもポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン、PET、ABS樹脂などあらゆるポリマーも短時間で完全分解することが可能である。特にポリカーボネートのように融点を有するポリマーは極めて短時間で分解することができる。また、色々なポリマーが混ざっているような系でも同様に完全分解することが可能であり、分別する必要は全くない。上記の熱可塑型のポリマーばかりでなく熱硬化性のポリマーも同様に完全分解できる。
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 図2 空気中で行った実験の質量分析結果 |
4. その他の応用分野
医療廃棄物、土壌汚染、PCB、ダイオキシン、フロンガス、脱臭等の分解にも応用が可能である。
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